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BBQ
キャンプに行くと以前書いているが、似たようなところでバーベキューも割とやる。
肉とか季節のお野菜を焼く奴ね。別に季節のお野菜でなくてもいいのだけど。むしろ季節のお野菜であることのほうが少ないのだけども。
とにかく炭火でじうじう焼く奴、バーベキュー。
ただし俺がよくやる奴は、胸をはってバーベキューとは言えないものも多い。

一番ちゃんとした正式(?)なバーベキューは、やはりキャンプ場で行われるバーベキューだろう。都会の喧騒を離れ大自然の中。かまど、調理場、水場などの設備もばっちり。鉄板や焼き網などの調理道具もレンタル可。大抵のところで直火OK、ついでにキャンプファイヤーもできる。これぞBBQ。

次が、火器使用可能な公園、都内でいうと葛西臨海公園や新木場公園とかね、でやるバーベキュー。キャンプコンロなどを持ち込んでやる奴。道具とかは自分で用意しなければいけないが、景観の良い公園でワイワイいいながら肉を焼いてガシガシ食うのは楽しい。これもBBQ。

ここまではまごうことなきバーベキューだと思うのだが、俺がよくやるやつは幾つかの点で、それはBBQの範疇に入れてよいのかと迷うところがある。
悪魔騎士編のジェロニモ、みたいな。連邦軍のRB-79通称ボール、みたいな。えらい軽装だけどそれ聖衣なんすか魔鈴さん、みたいな。

まず場所が自宅近くの荒川土手。
ま、でもそんなに悪くはない。いい所だ荒川土手、空は広いよ。いい所だよ。隣接のグランドで野球やってるけど。ジョギングしてる人にチラチラ見られるけど。散歩中のイヌが飼い主をグイグイ引っ張ってこっちに来るけど。油断した飼い主が放したイヌが突進してくるけど。
次に、使う道具が鳩サブレーのスチール缶。
これに炭を入れて肉とか野菜を焼くというちょっとした挑戦。あ、さすがに箱の蓋に肉とか野菜を乗せて焼くわけではないので安心しほしい。魚焼き用の網を別に用意して、それを炭の入った箱の身(箱の下部分)の上に乗せてバーベするわけである。
焼けなくはない。5分くらい網の上に置きっぱなしにしたら肉の赤い色がピンク色ぐらいになるくらいに焼ける。ウェルダンではなくミディアムレアでもなく、レア一択。
つうか異様に炭に火が着きづらい。所詮ただの菓子を入れてた缶、通気孔も何もありはしないからな。何かもう、お酒を飲みながら楽しく肉を焼いて食らうという催しの面影は一切なく、炭に無事に火を着ける競技だ。

水場・かまどなどがそろったキャンプ場でのバーベキューが、はがねの剣・はがねのよろいぐらいの装備だとしたら、荒川土手での鳩サブレー缶バーベキューは、ひのきの棒・布の服ぐらいの装備・・・いや、それらの装備を売り払って取り敢えず薬草8つだけそろえたようなものか。準備の仕方が根本的に間違ってるというか。頑張る方向が違うというか。
ここまで書いて思ったが、道具は鳩サブレー固定で場所だけ良い場所に変えてみたらどうなるのか。自宅近くの川の土手から人で賑わうキャンプ場に場所を変えたら少しはマシになるのか。バーベキューに近づけるのか。

うん、かえってキャンプコンロやかまどの中で一際異彩を放つな、鳩サブレー缶。
うん、炭に火を着ける競技から、人の失笑に耐える修行へと段階があがったな。