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菱形のあいつ(2015/3/3)
三月三日の今日はひな祭り。
といっても、俺は男なのでひな祭りに関するエピソードもこれといってない。
一応、俺には妹がいるのだけど、うちの親はあまりそういったイベントごとを熱心にやるタイプではないので、幼い頃も特に何かをしていた記憶がない。
おそらく雛人形もないだろう。
無論、五月人形だってない。

なもので、ひな祭りに関しては特に興味も感慨もないのだけど、唯一、少しだけ心惹かれるのが、菱餅という存在だ。

というか、これは俺の周りだけなのかもしれないけど、菱餅ってあまり食べる機会なくなくない?
ひな祭りと対をなす子どもの日には、柏餅が用意され、それをもしゃもしゃと食したことはたびたびあったけど、ひな祭りに菱餅を食べた記憶はあまりない。
まあ、これは柏餅が子どもの日だけでなく基本的には季節問わず、和菓子屋に置いてあるのに対し、菱餅はひな祭り以外の時季には扱っていない、ということが原因だとは思うけど。

というわけで、あまり口にする機会がないという事情も手伝って、子どもの頃はあの菱餅に妙に心惹かれたものだった。そもそも俺はあの手のしっとり系の食感が割と好きなのだ。ういろうとかさ。

だから、たまに公共の場や誰かの家で雛人形が飾ってあるのを見ると、俺はまず菱餅確認してたね、というか今でもそうする。
勿論、大人になった今、それを是が非でも食べてやろう、ということではない。
いや、物心つかない幼い時だって、あの飾ってあるの食べたいだの何だの、駄々をこねたこともなかった。
ただ、
ひょっとしたら、
万が一、
「もう雛人形片付けるから、その菱餅食べていいよ」的な展開になりはしないだろうか、と思って不自然なほどにひな壇の周りをうろうろしてたりはしてたけど。

そんな魅惑のアイテム菱餅だが、残念なことに残念な菱餅も世の中には存在する。
それはそうだろう。
世の全ての男たちを魅了するおっぱい(く、こ、こいつ言い切りやがった)。
生きとし生ける全ての野郎がひれ伏すおっぱい!(やっぱり言い切った。二度も言い切った。しかも感嘆符付きだと!)
だが、そのおっぱいの中にでさえ残念おっぱいという概念が存在するのだ。
菱餅にだって残念菱餅が存在しないわけはない。

はい、というわけで俺の思う残念おっぱ・・・じゃなくて残念菱餅。
その一、プラスチックのやつ。どうあがいても食べられないやつ。これは当然の結果か。こちらは食べ物だと思っていたのに、いざよく見てみたら食べ物でも何でもなかったのだから、そりゃ失望の度合は半端ない。
ただ、内部に電球が仕込んであって光るものは別。
子どもは光るもの好きだからな。馬鹿だからな。

その二、あられで菱餅をかたどったもの。
あられをおこしみたいに固めて菱形に成形したアレね。そんな頻繁にではないけど、たまに見かける。
というか既に菱餅じゃないんですけど。
それは菱あられなんですけど!
これはなまじ食べられるものだけに、かえって失望の度合が激しくなる。
こんなのだったらプラスチックの方がまだましだ!
いやいっそ何もないほうがいいぐらいだ!

ていうか、これはただ単に俺があられが好きじゃないってだけか。