前回のセレーネーに続き、月神のその2。
このヘカテーもセレーネー同様にギリシャ神話の女神。

頭にカエルを乗せているのは、ヘカテーがエジプト神話のヘケトに由来するという説に基づいて(ヘケトは多産・復活の神でその姿は蛙)適当にデザインしてみた。
ちなみに連れている犬はケルベロス(ヘカテーは月神であると同時に冥府神)。

実は、月と蛙というものは結びつきが深かったりする。

『百蛙図』のイラストの時にも書いたけど、満ち欠けを繰り返す月は不死・生命の象徴であり、蛙も多産であること冬眠を繰り返すことから不死・多産の象徴であるのだ。
エジプトだけでなく、中国神話でも月と蛙は関係があって、不死の霊薬を盗んだ嫦娥という仙女は月に逃げ、蟾蜍に姿を変えられてしまっている。

なので、月神ではないヘケトが月神ヘカテーのルーツだというのは根拠がないように見えて、実はそれなりに信憑性があるなあと個人的には思っているのです。

あと膏薬の「ガマの油」なんかも、ここら辺りの蛙の不死性から来ているんじゃないかなー、と思ったり。