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発動!テレポート
時間には、わりかしルーズである。
大抵の待ち合わせに10〜15分程度遅れてしまう。
だからといって悠々と行動しているかというと、そんなことは全くなく、いつも焦って集合場所へ向かっている。
元来が小心者なのだ。

とはいえ一度遅れてしまったら、いくら焦ったところで出来ることは限られている。
基本は電車移動ゆえ、出来るのは最寄の駅まで急ぐことぐらいだろう。
駅まで着いてしまったら、あとは公共の交通機関という性質上、急ぐことも急がせることもできない。
まさか、車掌のところに行き
、 「運ちゃん(いや車掌に頼むのだから、車ちゃんか)、急いでくんな、チップははずむから!」
とかやるわけにもいかんだろうし。

というかタクシーの運ちゃんにもそんなこと言えない、恥ずかしいし人見知りだし、つうかそもそも運ちゃんとすら呼べんわ。

とまれ、一度電車に乗ってからは焦ってもしょうがないのであるが、気持ちは落ち着かない。
窓の外をゆっくり流れる遠くの景色、それとは裏腹に焦る心。
そんな時いつも思う。

俺、今、テレポート能力に目覚めたらどうしよう。

待ち合わせにテレポート出来たらいいな、ではなく。テレポート能力が急に発現したらどうしよう、である。
そう、「早く! 急がなければ!」という思いがあまりに強いため超能力に目覚めテレポートしたらどうしよう。
マンガとかで危機に陥った登場人物が秘められた力に目覚める、あのパターンのやつね。
しかも、力に目覚めたばかりで制御が上手くいかず、力が暴走するパターン。
そうだ、テレポートしたはいいが制御できず、待ち合わせ場所とは全然違うところにテレポートしたらどうするんだ。
もっと遅刻してしまうではないか。

と、そんなことを思う。電車に揺られながら。
だから、これからは遅れてても焦らないようにする、超能力に目覚めても困るから。

ふふ、引くな、引くな。
しかし、これってそんな珍奇な考えだとは自分では思わないのだけどな。
というのも、例えば人の多い場所、それこそ電車内などでエロいことを想像した時、ふと我に返り、周りにテレパスがいて心を読まれていたらと思って不安になるという話は、 結構あるよね、頼む、あるって言ってくれ。で、一応さっきのテレポート妄想は、これの変形バージョンだと自分では捉えておりやす。だからセーフ。