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諦めきれない男たち
珍しいことに映画を見に行った時の話。
見たのは『アンヴィル〜諦めきれない男たち〜』、ヘヴィメタルバンド・アンヴィルの中心メンバーであるリップスとロブに密着したドキュメンタリー映画だ。

上映10分前に劇場へ着く。
映画が始まってしまうとトイレには行けないので、大して尿意があったわけではないが、トイレへ。
そして上映開始。

人間ふしぎなもので、禁止されてると禁止されたことがしたくなるものらしい。
つうか、またトイレ行きたくなった。
とはいえ、トイレに行ってる間に大事なシーンを見逃したらいやだし周りには迷惑だろうし、ということで行かない方向で問題を解決することにする。
今まで生きてきて得た知識をフル動員して、映画の上映中尿意を催した時の解決策をさがす。
桜玉吉氏の『漫玉日記』で、かのヒロポン氏が尿意を催した時、呪文を唱えて難を逃れていたのを思い出し、そのひそみに倣うことにする。
「うんにょー、ふんにょー、こちこちきゅ!」
・・・・・・ダメだ。尿意は引かない。何がいけないのか。
そういえば、本家は便意を催した時の呪文だったか。いや、だがしかし、尿も広い意味では便だ。小さいけど便だ。だから今回のケースでも有効であろう。
それとも、心の中で唱えただけだったのがまずかったか。
ならば!
僕が言ってやる、でっかい声で言ってやる、がんばれって言ってやる、聞こえるかい、いや聞こえません。
というか、今、このタイミングでがんばれ、って言ったら劇中のリップスとロブに向かって言ってるようにしか聞こえんしな。
いや、言うのは「うんにょー、ふんにょー、こちこちきゅ!」だったか。
いずれにしても周りの迷惑であることに変わりはない。大声うんにょーは断念する。
いっそ漏れるか。女性の3人に1人は尿漏れだというしな。ただ残念なことに俺は男であったのだ。
ま、普通に我慢して映画見た。モジモジしながら映画見た。
リップス、それにロブがんばれ、夢を諦めるな。俺もがんばる。漏らさないようにがんばる。

聞こえるかい、がんばれー。